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トークセッション PiN UP 第 2 回 ヨシダアキヒロが日本一のコレクター北原照久にインタビュー

更新日:2019年3月15日


(左)北原照久 (右)ヨシダアキヒロ


異業種の優れているところ取り入れて、自分の美容室に活かしたい。

そんな思いから始めた気になる人へのインタビュー。 今回が第 2 回目。ゲストは北原照久さんです。

北原さんは人生の師匠とも言うべき人で、北原さんの言葉があったから今の僕があるとっ ても過言ではありません。

またいろいろなアドバイスをいただきました。出会った頃の僕だけのエピソードとともに、 貴重な言葉をお届けします。



プラス発想、勉強好き、素直。それを実践して人生が良くなった

ヨシダ(以下ヨシ) 僕が北原さんを初めて知ったのは 2008 年。美容専門学校を卒業してロンドンへ向かう直前でした。アパートを引き払うときに大家さんからの新聞の切り抜き記事をいただき、そこに北原さんのことが書かれていました。


北原照久(以下北原) 3 月 22 日付の日経新聞。ボロボロだね(笑)。シートかなんか貼ってよ(笑)。


ヨシ はい(笑)。この記事をもらったときはロンドンへ行く準備でバタバタしていて読むことができず、向こうに行ってから読んだんです。そしたら『夢の実現ツキの 10 か条』 (※)の内容が本当に心に突き刺さったんです。

北原 まず、これを大家さんがくれたっていうのがすごいよね。青年は荒野を目指すじゃな いけど、アキヒロ君が海外へ行こうというときに、励ますという意味で何かを渡したかったんじゃないかな。これもアキヒロ君の性格が良いからだよ。外国へ行くと日本語が恋しくなるから読むきっかけになったのかもね。


ヨシ ロンドンでは差別やいじめにもあいましたけど、1 年間は絶対に帰らないと決めていたので、辛いときはいつもこの記事を読んでしました。だから 1 年後帰国したときに、この人に絶対に会いたいと思っていました。

北原 イベントか講演会に来てくれたんだよね。


ヨシ イベントの控室にお邪魔させていただきました。北原さんの一言めがずっと印象残っているんですけど、僕のことを絶対知らないと思っていて話しかけたら、「アキヒロ君だろ? 僕のことをブログに 1 年間書いていたんだって。よく会いに来てくれたね」って。


北原 僕の友達が『若い男の子がイギリスでお前に会いたいって書いているよ』というのを聞いていてさ。

ヨシ 北原さんとお会いする機会が増え、自宅へお招きいただいたとき、「原宿の美容室に就職が決まりました」と伝えたら、「出る杭は打たれるから、めげずにやっていくんだよ。 なんかあったら僕が味方だから」と言って、推薦書を書いてくれたんです。「推薦書、ヨシダアキヒロ君は夢があって、行動力があり......」。ここまでしてくださり、とてもうれしかったです。

北原 僕って良い奴だな(笑)。実はね、人っていうのは分かるの。波動が高いとか低いとか。アキヒロ君が海外へ行き、そこで僕の記事を読んでくれた。暗記するまで読んでくれて、 僕に会いたいとまで言ってくれた。うちの会社に連絡をくれて、でもスケジュールが合わなくて断られたよね。何回も。それでも連絡してきたじゃん。情熱的なんだよ、君は。1 回目の電話のときに断られて「やっぱりダメなんだ」と諦める人がほとんどだと思う。それでもめげずに行動していると気持ちが伝わってくるんだよ。人ってなんとなく会いたいのと、本気で会いたいというのは違うから。


ヨシ はい。


北原 波動って僕がすごく大切にしていることで、愚痴を言ったり、ぼやいたり、ねたんだり、人の陰口を言ってはいけないとずっと言い続けている。それらを言うと、波動が下がる。同じような人が集まってきちゃうんだ。


ヨシ 確かに北原さんはネガティブなことを言わないです。いつもポジティブ。僕もそういうところを見習っていきたいです。

北原 『夢の実現 ツキの 10 か条』っていうのは、「プラス発想」「勉強好き」「素直」っていう船井幸雄先生に教えてもらった言葉なんだよ。それが何なのって思う人が 99%だと思う。でも、それを感じる人っているわけ。僕も実際にそうだった。それ以来、プラスに物事を考える、勉強を好きになる、素直になるっていうね、それをやり続けたおかげで自分の人生が良くなってきた。



継続力が大切。やり続けることで方向性が見えてくる

ヨシ 今日はせっかく北原さんに時間を作っていただいたので、北原さんの源流ともいうべきお話をお聞きしたいと思っています。北原さんはコレクターという肩書ですが、そもそもきっかけは何だったんですか?


北原 大学生のときにオーストリアのインスブルックにスキーの勉強で行ったんだけど、 そのときにホームステイした家庭が物を大切にする人たちで、僕もそういう気持ちになったというのが正直なところ。当時は学園紛争が一番激しかったときで、あんなに勉強して大学受かったのに授業がない。それで海外へ行き、何かを教えてもらったわけじゃないんだけど、その暮らしぶりを見たときに、好きなものに囲まれて生活したり、古いものを大事にしたら、作った人はどれほどうれしいだろうと思って。


ヨシ コレクションは仕事をするために集めたわけではないと。

北原 そうそう。自分のときめくものやワクワクするもの、そういうのを身のまわりに置きたいなって。ただそれだけ。ただ言えるのは、それが二十歳のときだから、51年間ずっと同じテンションで集めている。そういうものに出会えたことは幸せだよね。


ヨシ もしインスブルクに行っていなかったらコレクターにはなっていなかった。


北原 そうかもしれないね。

ヨシ コレクター以外なら、どんな仕事に就きたかったんですか?


北原 スキーがうまくなりたくて、スキーで身を立てたいというのが自分の中にあった。そう思っていたときに、好きなものに囲まれて生活してみたいなと。そしたら、動かない柱時 計をたまたま拾ってさ。八角形のボンボン時計。それに油を差したら動き出してね。物に命を吹き込んだような、そんな気持ちになったんだよね。

ヨシ 好きや趣味を仕事にできる人って、なかなかいないじゃないですか。でも、実際は好きだけでは仕事にならないと思うのですが。

北原 まったくならないよ。好きなだけではできない。僕の仕事だって借金からスタートしているわけだから。100 の苦しみと 101 の喜び。ほとんど僕は大変なことが多くて、ほんの紙一重で喜びが勝っているから続けることができている。10 の苦しみと 100 の喜びではないよね。

ヨシ 続けてこられた理由ってありますか?

北原 まわりに理解してくれる人がいたことと、積み重ねしかないんだよね。自分の好きなことをやり続けるということが一番大事で、僕は継続力ってすごい力だと思うし、やり続けたことによって自分の方向性が見えてきたわけだし。最初から方向性があったわけではないんだよ。やり続けていることによっていろんな人と出会い、刺激を受けてきた。例えば、本を出版するチャンスに恵まれ、本を出すことによって、違う媒体が取り上げてくれた。そうしているうちにコマーシャルでうちのおもちゃを使ってくれて、そこで CM プランナー、 コピーライター、カメラマンといった人たちと出会い、刺激をもらった。デパートでイベントをやりませんかって話しが来てイベントをやると、すごいたくさんの人が来場してくれ る。それによって博物館を作ったらいいよねってことになって博物館ができた。最初から博物館を作ろうとしてコレクションしたわけではないんだよ。

ヨシ 以前、北原さんが言ってくれた「100 人に言って協力してくれるのは 1 人、1000 人で 10 人、1 万人で 100 人」という言葉を思い出します。

北原 僕の経験では、100 人に夢を語ると 99 人がほら吹きだと言う。お前だったらできるよって言ってくれるのは 100 人に一人。1000 人で 10 人。1 万で 100 人。車がほしい、家がほしい、博物館をやりたいと、同じテンションでずっと言い続けてきた。ずっと言い続けて味方を作っていったんだよね。

ヨシ 北原さんはマイナスなことを言いませんが、ストレス解消法というのはあるんですか?

北原 俺はコレクターだからいろんなものを買うわけ。買うってことはモチベーションになるんだよ。どんなに辛くて悔しいことがあってもコレクションが手に入ると、うれしくなるんだよね(笑)。あとは太陽、月、星、木、富士山、神社、教会、お寺だとか、そういうものに向かっていつも感謝している。祈っている。富士山を見て、「感謝、ありがとうござ います」と。一人でやっているよ。どこでも「感謝、ありがとうございます」。それが僕にとっては運が良くなる魔法の言葉だから。それを言うことによって、不思議といい出会いに恵まれるんだよね。類は友を呼ぶという。そこでぼやいたり、愚痴ったり、恨んだり、悪口を言ったりしたら、絶対に波動が下がる。僕は裏切られたことを人に話すなって、ある人に教えてもらってね。そこから学ぶこともたくさんあった。



希望、強さ、優しさ、笑顔。これがいいリーダーの条件

ヨシ ヘアサロンを続けていれば、やがて僕もリーダーにならなくちゃいけないと思っています。そのために勉強をいろいろしているんですけど、リーダーにとって大切なこととはどのようなものだと考えていますか?

北原 リーダーは希望を配る人。ナポレオン・ボナパルト(ナポレオン一世)の言葉なんだけど、リーダーが希望を配らなかったら誰が希望を配るのってことだよね。それと、リーダ ーは強くなきゃダメなの。精神的にね。同時に優しくなくちゃいけないし、笑顔がなきゃダメ。リーダーがいつも怒っていたら、働く人たちがみんな不安になっちゃう。正しさも必要だし、人を育てる力がなくてもいけない。


ヨシ 人を育てるって難しいですよね。

北原 自分と同じような考えで、行動も同じような方向を向いてくれるような人間を見つけなくていけないよね。この人のあとをついて行って希望があると思ってもらわなくちゃ。この人のあとについて行って大丈夫かなって不安になったらダメじゃん。

ヨシ 実は 7 月に新店を出す予定でいます。


北原 今のお店を出して何年になるんだっけ?


ヨシ 3 年になります。


北原 オープンしてまだ 1 年目に、もう1店舗開きたいと言ってきたときはやめるべきって言ったよね。1年で無理だよって。分かるんだよ。いろんなことにチャレンジしたくなるのは。僕がそうだったから。うちもトイズを 1986 年にオープンして原宿に出し、マリンタワー、氷川丸、札幌、小樽にも出した。今、それが残っているかといったらほとんど残っていない。考え方も見ている方向も自分と同じで、そういう人がアキヒロ君のところにいれば 可能だけど、そうじゃかなったら絶対に無理。それはクリアできたのかな?

ヨシ はい。僕の夢をいっしょに追いかけてくれる人が見つかりまして。

北原 ならいいんじゃないかな。自分と一心同体という人を見つかったわけだ。お客さまに対しても、美容に対してもすべてアキヒロ君の考え方や行動に共感できて、自分もそうなりたいというね。アキヒロ君といっしょに高みを目指したいという人が増えてきたら、2 店でも 3 店 4 店でもできるよ。

ヨシ 頑張ります。北原さんのこれからの目標ってありますか?

北原 コレクターとしてはメガミュージアムだよね。今、5 か所にミュージアムがあるけど、 自分のコレクションって 3 割くらいしか表に出ていないの。7 割以上は倉庫にしまってあるから。

ヨシ 最後に、美容師とコレクターでは職業は違いますが、商売という面では共通しているところはあると思います。僕ら美容師にアドバイスをお願いします。

北原 顧客満足度って大事なことだし、自分の満足じゃなくてお客さんが満足しなくちゃいけないわけ。ここへ来て良かった、こういうサービスを受けることができて良かったなっていうさ。それが最大のバロメーターであって、お客さんに感謝にされることだよね。ありがとうと言ってくれるお客さまを増やすことは重要だよね。あとは、司馬遼太郎さんがいろんな歴史小説を書いてきて、最後に伝えたいことがあるって言っているんだよ。「優しさ」 「思いやり」「人の痛みを知る」。リーダーになるアキヒロ君も覚えておくといいよね。

ヨシ ありがとうございます。僕は北原さんに影響を受けて今があります。いつか恩返ししたいと思っています。今日はありがとうございました。

Profile

北原照久

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1948 年東京生まれ。株式会社トーイズ代表取締役。おもちゃコレクターの第一人者として 世界的に知られている。86 年 4 月横浜山手に「ブリキのおもちゃ博物館」を開館。コレクションは 10 万点超に及ぶ。テレビ東京系列「開運! なんでも鑑定団」レギュラー出演のほか、『横浜ゴールドラッシュ』(一季出版)、『こころに響く 100 の言葉!』(サンクチュアリ出 版)、『facebook100 の言葉~こころにひだまりを』(たちばな出版)など著書多数。


ヨシダアキヒロ 24 時間営業・完全予約制のヘアサロン『PiNCH』のスタイリスト兼オーナー。2 つの質問に答えるだけで OK という独自のカウンセリングと、原宿のヘアサロンで磨いた実力とデ ザイン提案によって、学生~エグゼクティブクラスまで幅広い顧客を持つ。



(※)『夢の実現 ツキの 10 か条』

第1条 プラス発想をする

ピンチはチャンス!


第2条 勉強好きになる

勉強好きだと世界が広がる。


第3条 素直である

素直こそ、プラス人間の基本。


第4条 関心を持つ

何事にも関心を持とう。


第5条 感動する

感動する波動にツキが同調する。


第6条 感謝する

感謝すれば、ツキは寄ってくる。「万象肯定」「万象感謝」


第7条 ツイてる人と付き合う

「運がよくなりたかったらツイている人と付き合え」松下幸之助


第8条 親孝行する

親孝行は感謝の原点


第9条 ほめる

人を、そして自分を、ほめよう。

「やってみて、言って聞かせて、させてみて、 ほめてやらねば人は動かじ」山本五十六


第 10 条 ツイてると思い込む

ツキは「ツイてる」と思い込む人につく。

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